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【ネタバレ】映画『シャーリー&ヒンダ ウォール街を出禁になった2人』経済成長の先に果たして幸せはあるのか?

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『シャーリー&ヒンダ ウォール街を出禁になった2人』をテアトル梅田で見てきました。


おばあちゃんが奮闘して世界経済を変えようとする話なんやけど、結構難しかったなあ…。政治のこととか経済のこと絡んでくるし。

「自分の生活これでいいのかな?」って気づきをくれる映画でした。

ということで、見た感想を書いていきます!
内容に触れる部分があるので、ネタバレも含まれまーす!

映画『シャーリー&ヒンダ ウォール街を出禁になった2人』あらすじ

アメリカ・シアトルの田舎で生活している92歳のシャーリー・モリソンさんと86歳のヒンダ・キプニスさんは、経済成長について疑問を抱く。大金持ちでもビジネスマンでもない老女の二人は、その疑問を解決するため大学生や大学教授、経済アナリストのもとへ向かう。門前払いをくらったり、会ったところで納得できる答えも見つからず、ついにニューヨークのウォール街へと突撃する。

解説・あらすじ - シャーリー&ヒンダ ウォール街を出禁になった2人 - 作品 - Yahoo!映画


舞台は経済大国アメリカ。

「国は破綻し、社会保障費が確保できず、退職者に年金を支給することも出来なくなりました。多くの人が職を失い、住む家も失くしました…」

というセリフから、物語はスタートする。


自分の暮らす国の経済がずっと低迷し続けていることに気づき、

「このままで孫の世代は、幸せに暮らしていけるのか?」

と、現在の経済に不安を募らせるシャーリーとシャーリーの親友ヒンダ。


ある日、ヒンダはシャーリーにこう問いかける。


ヒンダ「経済成長の為にはどんどん買い物をしろと言うけど、物が増えて幸せ?」


シャーリーはその問いに答えることが出来なかった。


本当にたくさんの物を買えば経済は成長するのだろうか?

2人はその問いに対する答えを求め、貪欲に行動を起こしていく。

『シャーリー&ヒンダ ウォール街を出禁になった2人』ネタバレ・感想

正直、私にはちょっと難しい内容でした。

単なる「歳をとっても、私たちはアクティブで元気!ハッピー!」みたいな脳内お花畑な内容かと思いきや、2人のキャラクターに触れられるシーンは割と少なく、難しい専門用語が飛び交ったりと、経済に焦点が当てられた内容だったのはちょっと予想外でした。

専門用語などを交えながらストーリーが進んでいくので、言ってるセリフを理解するのに時間がかかる場面もあったんやけど

今で言う「ミニマリスト」と呼ばれる人の考えに似てるなーと思いながら見てました。

物質主義だった時代から不景気な今を経て、果たして多くのものに囲まれることが本当の幸せなのだろうか?と今一度考えさせてくれる映画です。

知的欲求がアラカンの2人を突き動かす

主人公の2人は電動車椅子で生活している、その辺にいるごくごく普通のおばあちゃん達。

そしてこの作品は、フィクションではなくノンフィクションであること。
作り話でなく高齢の2人が実際に行った事を映画として伝えているところに面白さがあります。

2人が他の人と違っていたのは「揺るがない知的欲求」「熱い好奇心」を持っていた事だけ。

体が少し不自由でもそれをネガティブに捉えることなく、まずはなんでもトライしてみようという前向きな姿勢を持っていました。

「経済成長とは一体何なのか?」
「経済成長の先に、自分達の幸せはあるのか?」


答えが知りたくなった2人は教授や経済アナリスト、学者達に突撃で会いに行き、「経済とは何か」と質問を投げかけていきます。

大学に出向き、経済学を受講する時も「授業の妨害だ」と邪険に扱われ、すぐさま退出させられてしまいます。ここでもへこたれる事なく文句を言いまくる2人がかっこ良かった(笑)

2人のようなハングリー精神の強いおばあちゃんになりてぇ…。

国内総生産=国民の裕福度ってほんと?

作中にはGDPという言葉が出てくるんやけど、国内総生産ってやつですね。

国内総生産っていうのは…よくわかんないから2人と同じくグーグルで調べてみました(笑)

GDP=国内総生産とは、日本の国内で1年間に新しく生みだされた生産物やサービスの金額の総和のことです。 GDPはその国の経済の力の目安によく用いられます。 また、経済成長率はGDPが1年間でどのくらい伸びたかを表わすものです。 経済が好調なときはGDPの成長率は高くなり、逆に不調なときは低くなります。

GDPとは?-経済|経済産業省

国内総生産ってのは、日本国内で1年間の間に新しく生み出された生産物の量を表した数値のこと。どれだけ生産的な活動したかという指標になる数値ですね。

うーん、勉強になる。笑

それから2人はロバート・ケネディが国民総生産(GNP)について語る演説をYouTubeで見ます。

アメリカのGNPはいまや年間8000億ドルを超えている。
この国内総生産からアメリカの何がわかるだろう。
この数値には大気汚染やタバコの広告費用、遺体を運ぶ救急車も含まれ、
銃やミサイル、市民の暴動で警察が使用する装甲車も含まれている。
しかし、子供の健康や教育の質は数値には一切計上されていません。
また詩の美しさ、夫婦の絆の強さもこの数値で測ることは出来ない。
国内総生産で人生の価値を示すことは不可能なのだ。
GDPは人生で生きがいを感じるもの以外を評価するものであり
アメリカ人であることを誇りに思う理由を、GDPでは説明できないのだ。
Robert F. Kennedy challenges Gross Domestic Product - YouTube


つまり国内総生産とは経済成長を表す数字でしかなく、人々の幸福度や満足度、心の充実感を表す数値ではないということ。

先進国であるには経済成長が絶対必要というけれど、国民一人一人の幸福を投げやりにしてでも必死で発展させなければいけないものなのだろうか。

演説はアメリカの事を語っていたけど、日本もその後を確実に追っている。

「休み返上して体を壊してでも働け」
「早く結婚して家庭を持て」
「莫大な借金してでも家を買え」

「なぜしなきゃいけないの?」
「なぜなら今までそうして発展を繰り返し、文明を紡いできたから」

経済の発展を願い、自分をすり減らして今以上これ以上を求め、働きまくったその先に、果たして幸せはあるんだろうか?

体の丈夫な人はそれでもやっていけるだろうけど、無理しすぎて体を壊した人、鬱になった人、それが原因で自殺してしまった人がたくさんいる以上、これが100%正しい選択とは思えない。

幸せになるためにしている事で、人が不幸になっているなんて。


すぐに職を辞めたり、ニートと呼ばれる若者が増えた結果、男性が働かない時代は過去に今までなかったとおじさん世代は嘆く。

「これだからゆとり世代は」
「最近の若者は甘えている」
「我慢が足りない」
「俺らの時代はもっと厳しかった」

かつてモーレツ社員と呼ばれ、会社に忠誠を誓い、がむしゃらに働きまくった人達を思えば、今の若者はどうしてしまったんだと嘆きたくなる気持ちもわかる。

が、こういった現状は今まで

「みんなそうだからこうすべき」
「大学に入り、就職活動して就職し、結婚して家庭を持つべき」
「そうじゃない人はダメ人間でクズだ」

とされてきた基準に対して、若者達が

「本当にそれでいいのか?」
「本当にそれが幸せの形なんだろうか」
「他の生き方もあるんじゃないか」

と疑問を持ち始めたからではないだろうか。


社会的な発展よりも個人の幸福度を上げる為へとシフトすべき時代なんじゃないだろうか。日本が先進国なのに自殺者が多い要因はこの辺にありそう。

未来が想像出来ないバクテリアと人間達

映画の中で印象に残ったのは、物理学者のバクテリアの話だった。

「1分で倍に増えるバクテリアを一つ瓶に入れる。11時から12時までの1時間でその瓶が満杯になるとしたら、その瓶が半分になるのは何分後か?」


この問にシャーリーは「59分後よ」と即答。彼女がクレバーな人物である事がわかるシーンだった。

更に質問は続く。

「では、バクテリアたちは何分前に、瓶が自分たちで満杯になることに気づくだろうか?」


消費され続ける資源に増加し続ける人口。専門家達の「化石燃料の消費率をあげても問題ない、新しい燃料はいつか発見されます」などの発言がいかに矛盾したものかわかる。

バクテリアと同じく、人間達も自分の未来はおろか、1分後を予測することも出来ないはずなのに。


たくさんの物と食べ物に溢れているのに、一向に満たされることのない果てしない欲求。一体いつまで地球は資源が持つんだろうか。日々自分の生活で精一杯で考えたこともなかった。

今はこれでもいいだろうけど、もし結婚して子供が出来たら考えは変わるだろう。シャーリーと同じく愛する子供が安心して暮らせる世界にしたいと。

始めるのに遅すぎることはない

物理学者に

「こんな話はもう何十年も前から討論されていたことだよ。気づくのがえらく遅いね」

と言われたヒンダは

ヒンダ「始めるのが遅くても、きちんと自分の頭で考えてみることが大事なのよ」

と言い返す。ヒンダかっこいい~ひゅーっ


年齢を重ねてから、何かを始めるのはとても勇気がいる。

「今までしてこなかったの?」とか「その歳で始めるには遅すぎる!」とか言われてしまうからだ。

でも、自分が本当に知りたいこと、好きなこと、追求したいことなら年齢なんて関係ない。今すぐ考えて行動して始めてみるべきだ。

もしかしたら自分の努力や考えが誰かに伝わって、何か化学反応が起きるかもしれない。ウジウジと愚痴るのはやめて、今すぐチャレンジしてみなよ!と、この映画は後押ししてくれる。

価値をどこに見出すのか?

シアトルからはるばるNYへ飛ぶことを決意し、最終的に彼女らなりの「経済成長がもたらすもの」の答えを出す。

歩くこともままならない車椅子のおばあちゃん達がここまで行動を起こしているのに、もう若くないからと言い訳してウジウジと留まっている自分が少し恥ずかしくなった。

アラナイに比べればアラサーなんてまだまだひよっこみたいなもん。自分には思い通りに動く足も健康な体もある。

2人のように世界経済を変えるなんて大それた事じゃなくても、自分の好きなことを求め、会いたい人に会いに行こう。まずは自分の世界から変えよう。自分の好奇心や知的欲求にもっと貪欲になろう。

そして「量に価値を置くのではなく、質に価値を置くのだ」と教えてくれる映画でした。

「量ではなく質に価値を置こう」

そんな事を考えながら、ホテルのビュッフェでお皿いっぱいに盛られた50点ぐらいの料理をたらふく食べるという自分の矛盾具合に、思わずガックリしたのはオフレコで。


『シャーリー&ヒンダ ウォール街を出禁になった2人』と同じくウォール街が舞台の映画なら『ウルフ・オブ・ウォールストリート 』もおすすめです。

金!女!名誉に名声!!!みたいなシャーリー、ヒンダの思考とは真逆の強欲にまみれた主人公が出てくるアメリカンムービー(笑)これぞまさにウォール街って感じで面白かったので、こちらもぜひ♪