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【ネタバレ】貴志祐介『天使の囀り』映画化して欲しくない小説ナンバーワンだと思う(あらすじ、感想)

書評
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読書好きの友達に勧められた、貴志祐介の「天使の囀り」を読み終えました。 

友よ…

なんてもん勧めてくれたんだよ!!

本を読んでこんなに気持ち悪い思いをしたのは、小学校の時に読んだ楳図かずおの影亡者以来かもしれない。霊媒師のおばちゃんの内臓があああああ!!!

では、あらすじとネタバレと感想書いていきますっ!かなりグロテスクな内容になっているので、閲覧注意でお願いします。 

あらすじ

終末期医療現場で精神科医として勤めている主人公の北島早苗。 

早苗の恋人、高梨は死恐怖症(タナトフォビア)を患っていたが、新聞社が主催したアマゾン調査隊に参加してから、様子がおかしくなる。人が変わってしまったかのような高梨の様子に戸惑う早苗だったが、そんな早苗の心配をよそに高梨は自殺をしてしまうのだった。まるで死に魅せられたかのように…。

高梨が死ぬ前にとり憑かれたようにつぶやいていた言葉

「天使の囀りが聞こえる…」

が意味する衝撃の真実とは…

ネタバレ

高梨の生前の変貌ぶりと不審な自殺を怪しんだ早苗は、アマゾン調査隊で同行したメンバーについて調べ始める。 

すると、同行メンバーも高梨同様、不審な死を遂げていた事がわかる。

子供を失う事を恐れていた人は、娘を道連れに自殺、ネコ科猛獣を怖がっていた教授は、サファリパークで身を投げ出し、虎に襲われて死亡、といずれも本人が一番恐れていた方法で自殺していた。 

自殺したメンバーを司法解剖すると、脳から寄生虫が見つかる。もしかして、これが自殺の原因なのかと疑い始める早苗。

更に事件を追っていくと、アマゾン調査中に食料が不足し、そばに寄ってきたウカアリという猿を食べた事が判明する。

そのウカアリが寄生虫に感染していたせいで、高梨を始めとする、メンバー全員が寄生虫に感染してしまった。

高梨がうなされるように言っていた『天使の羽音』の正体とは、寄生虫が脳の中を這いずった際に奏でる音だった。

ウカアリは本来人間を警戒する動物なのに、調査隊のそばに寄ってきたのはなぜか。寄生虫に感染したメンバーが不審な自殺を遂げたのはなぜか。

それは、この寄生虫は寄生した動物が持つ『恐怖』を『快感』に変えてしまう習性があったから。

感想

私、マルタイラーメンが大好きなんですが、天使の囀り読み終わった後、しばらく食べられなくなりました。うげぇ…

天使の正体は、ウカアリという猿から感染した寄生虫の『線虫』でした。線虫は寄生すると、脳を目指し蠢き始める。その虫が這いずる音が、まるで『天使の羽音』のように聞こえてたというわけ…。

やがて、脳に達するとA10神経に刺激を与え『恐怖』を『快楽』へと変え、コントロールし始める。そのせいで「これに感染すれば、恐怖や苦しみから、解放される世界に」と勘違いをした人たちによってさらに感染が広がってしまう。

オカルト的なストーリー展開になるのかと思ってたら、寄生虫に操られるストーリー…洗脳とかオカルト話よりもこっちのほうが怖いわ。

しかも寄生した生物を操る寄生虫って実際いるんよね…。

(グロいので載せないけど、気になるあなたは、『ロイコクロリディウム』で検索検索ぅ♪)

高梨が死んでからは場面が移り、信一という男の子視点で物語が進みます。信一の恐怖するものは蜘蛛…。

嫌な予感しかしないんだけど!?!?

虫嫌いの私がなんでこんな本を読んでいるんだろう…。勧めた友達ほんと許すまじ…。 

信一は自身の心の弱さを克服するため、ネットで見つけた自己啓発セミナーに参加することに。

調査隊で寄生されたメンバーのうち2人は、死んでしまうほどの恐怖対象がなかったために、助かっていたんだけど、そのせいで「この虫に寄生されれば、何も怖くない素晴らしい世界が開ける」と思い込み、よかれと思い、猿の肉を自己啓発セミナーに集まった人達に食べさせてしまう。もちろん信一も…

その後の展開はご想像の通り…(苦笑)

肉を食べてからというもの、セミナーの人が言うようにこれまで嫌いだった蜘蛛への恐怖心はさっぱり消え去って、信一は「自分が変わった」かのように錯覚する。前まで嫌いだった蜘蛛が以上に好きになっていくシーンは絶望的だった。いやああああ。

読んでいるだけで体がゾワゾワするような感触が伝わってきて、まるで虫が体を這いずっているかのような。ただただ気持ち悪い気分になりました(笑)

後半の寄生虫に感染された人間たちの描写シーンも絶句。「映像でなくて本当によかった」と思いながら読み進めていたんですが、私が気になったのがラストシーン。

早苗が働くホスピスでいつもよく会話をしている仲の良い男の子のシーンに。「僕死ぬのが怖いんだ」と嘆いていた男の子に対して早苗は自分がどうにもしてあげられない不甲斐なさを感じていた。

そんな死に苦しむ男の子をみて早苗は「苦しまずに逝かせてあげたい」と思って、隠し持っていた虫を男の子に寄生させるっていう…

結果男の子は死を恐れずに「鳥が天井を飛び回っている声が聴こえる!」とどこか安堵したような状態で死を迎えました…。

読み終わった瞬間は早苗の行動に全く共感できず「えええ!?結局男の子に寄生させて殺しちゃったの…?」って裏切られたような気持ちに。だからバットエンドだと思ってたんですが、数日経ってから気持ちが変わってきて「でも、視点を変えれば終末医療で患者が苦しまずに逝くことが出来る方法…。男の子が絶望せずに苦しまずに逝けたのなら、あの行動は良かったのかもしれない…。」と。

自分がもしそういう状況になったら楽な死(寄生)か苦しむ生、どちらを選ぶだろうか…