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【ネタバレ】映画『何者』感想 爽やか就活ムービーじゃないやん!人間の闇を描いたホラー映画!?

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映画「何者」公式サイト

見てから記事にするのがかなり遅くなりましたが、公開終了ギリギリで映画『何者』観てきました!

nanimono-movie.com

監督・脚本が三浦大輔さんって時点でこれはもう面白いだろうって確信して観に行ったんだけど、想像以上に怖かった(笑)

人間のドロドロした部分をリアルに描く天才、三浦大輔。就活生の葛藤を描いた青春ムービーかと思いきや、途中からは下手なB級映画より怖い展開に。

私自身、就活経験がほとんどなかったから「共感して見れるのかなー?」と置いてきぼりにならないか少し不安だったんだけど

「他者に認められたい」

という誰もが一度は抱いたことのある思いをベースに、ストーリーが展開していくので十分共感できて楽しめる内容になっていました。

これから就活をする学生さんはもちろんのこと、社会人でも楽しめる映画でして

特に、承認欲求モンスターのブロガーには全方位刺さること間違い無し!(笑)

あとは、ネットで誰かの悪口書いている人や、ツイッターで裏垢持ってる人におすすめしたい映画です。後半の展開で死にそうになるよ(苦笑)

というわけで、あらすじ、感想・ネタバレ書いていきまーす!

『何者』あらすじ

www.youtube.com

22歳の大学生5人は、理香の部屋を「就活対策本部」として定期的に集まる。海外ボランティアの経験、サークル活動、手作り名刺などのさまざまなツールを駆使して就活に臨み、それぞれの思いや悩みをSNSに吐き出しながら就活に励む。SNSや面接で発する言葉の奥に見え隠れする本音や自意識が、それぞれの抱く思いを複雑に交錯し、人間関係は徐々に変化していく。やがて内定をもらった「裏切り者」が現れたとき、これまで抑えられていた妬みや本音が露になり、ようやく彼らは自分を見つめ直す。
何者 (朝井リョウ) - Wikipedia

朝井リョウさん原作『何者』を映画化。
監督・脚本は演劇ユニット「ポツドール」主宰者の三浦大輔。
音楽はcapsuleの中田ヤスタカが担当。
そして企画・プロデュースには『世界から猫が消えたなら』原作者の川村元気。
そして、主演キャストも

  • 佐藤健
  • 有村架純
  • 二階堂ふみ
  • 菅田将暉
  • 岡田将生
  • 山田孝之

と、主役級の人が揃う超豪華メンバー!

スタッフ陣、キャスト陣からしてかなり気合の入った映画だということがわかります。

ということで、以下ネタバレ・感想っ!

私自身、ブロガーということもあってか、劇中のセリフがビシビシ刺さりまくりました…。ネタバレせず見たほうが絶対面白いので、未見の方はそっとブラウザバックしてくださいね。

『何者』ネタバレ・感想

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出典:http://natalie.mu/eiga/news/197122
原作未読で映画見たので、ストーリー展開は完全に初見!

拓斗と光太郎がひょんなきっかけから、上の階に住む瑞月と理香、理香の彼氏隆良と知り合い「就活対策本部」というグループを作り、厳しい就活に臨んでいく。

分析が得意な拓斗
天然系な光太郎
ピュアな瑞月
意識高い系女子の理香
詩人系男子の隆良

お互いにアドバイスし合ったり、情報交換をしたりとチームワークのいいグループに見えたが、光太郎と瑞月が先に内定を取ったところから雲行きが怪しくなっていく。

仲良しグループに見えたのに、自分より劣っていると思っていた友達が先に内定を取っちゃった所から事態は一転!理香は瑞月の内定先(超人気企業)を「あそこブラックなんじゃねぇの?」と妬み丸出しでネット検索しちゃうし、拓斗はTwitterの裏垢で、みんなのことをボロクソに書いてて。

拓斗の表向きは分析が得意な友達思いの良い奴、でも裏ではみんなを見下してバカにしてました。グループで集まっている最中にも「こいつら寒い」だのTwitter上で悪口を垂れ流す始末。

だがしかし、

その裏垢、実はみんなにバレてるっていう。

地獄かな?

Twitterの裏垢は持ってないけど、ブログ書いてるからなー。
この展開は冷や汗タラタラでした。(苦笑)

やっぱリアル友達とかにはおおっぴろげに教えないものじゃないですか、ブログって。バレてない前提で書いてるしさ。(身バレするブロガーさんも多いけどw)

私の場合、悪いこと書いてるわけじゃないけど、そういう裏の顔というか本質の部分がリアルの友達にバレるって…心臓キュッってなるよね(笑)

でね、

私「裏垢で友達の悪口書くって…怖すぎかよ」

って言ったら、リアルの友達数名が

「私、拓斗に似すぎてて、あの展開死ぬかと思った」
「俺、拓斗とおんなじクソやろうやわ(笑)」

え…君たち裏垢持ってんの!?笑

あぁ、みんな抱えた思いをネットに垂れ流すこと、もう我慢出来ないんだなぁ。
私も今こうやって垂れ流してますしおすし。

今はネット上でリアルとは違う別人の自分にカンタンになれちゃうから。リアルはダメダメでも、ネットの中ではフォロワーに慕われてる自分(キリッ)みたいなね。(苦笑)認めてくれる世界があるって知ったら、そうカンタンには辞められないよね〜。

んで、偉そうにしていた拓斗は、実は就活二年目ということが物語後半で判明します。
(マジかよ拓斗くん)

分析を繰り返して就活に望むも一向に内定が貰えない。なのに自分より下のはずの友達がなんなく内定をゲットする。自分がなりたいものにみんなは次々なっていくのに、自分だけが何者にもなれない。

結果、現実世界で何者にもなれない彼は、ネット世界で何者かになろうとしてしまったわけです。

ネットだと自分を偽ることができる、いい風に見せることができる。内定を貰えないことから失っていた自信を埋めるかのように、ネット上で承認欲求を満たしていた拓斗。

ところが、裏垢がみんなにバレてたことを知り「もうやだぁああああ!!!」と全力疾走。(笑)片思いの相手、瑞月のところに行くも彼女にも裏垢バレてた(地獄)

でも、彼女から
「(裏垢知ってるけど)拓斗くんの書く芝居、好きだったな」

と、自分の存在を認められたことから、もう一度就活を頑張ろうと決意。

そして、無理に自分を誇張することなく挑んだ面接。面接官から「自分を1分間で表現して」と言われ

拓斗「芝居に夢中で僕の青春は芝居しかなくて、っていうか親友が…」

とあれこれ喋り、最後に

拓斗「…すみません、僕を1分間で語るなんてできませんでした…」

あー、これで面接落ちたなーと思っていたら、自然体なプレゼンがよかったのか、見事内定ゲット!晴れ晴れとした後ろ姿と米津玄師の曲がかかってエンディング…というラストでした。

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現実世界で認められないから、ネット世界に逃げ込むという構図は就活生でなくとも、ネットが身近にあるこの時代なら誰しも一度は経験したことがあると思う。

一度は人生をかけるほどに熱中していた演劇の世界から遠のき、この先どうしようと迷っていた時に、念願の企業から内定を貰う友人、夢に向かって邁進していく昔の仲間。自分以外の人間が大学生に終止符を打ち、次々とネクストステージに進んでいく。

自分は就活二年目なのに…という現実。
ネット世界に逃げ込むのも仕方ないよな、という状況でした。

一度はネット世界に逃避した拓斗。でも片思いの瑞月のおかげで、再び現実と向き合うことを覚悟したことで、見事内定を決めることができました。大学生特有のモラトリアムから卒業までの物語。

ドラマ「逃げるは恥だが役に立つ」が大好評だったけど、逃げっていうのはここぞ!という時に使うべきで、やっぱり普段から逃げ癖がついちゃうのはどうなのかね、って話だよね。私はもうすっかり逃げ癖が身についてしまっているんだけどさ(南無)

時には逃げてもいい。それでも最後には辛くて痛い現実と向き合うしかない。

「現実から逃げて、ネット世界で評論家気取りで誰かを批評する前に、もう一度お前自身が現実に向き合って頑張ってみろよ」

というのが、作品に込められたメッセージでした。


っていうか、ブロガーって承認欲求モンスターじゃないですか(苦笑)
シェアたくさんされたり、ツイートいいねされたりすると「自分ってすごい」って勘違いしがちなんだけど、結局自分自身は何者にもなれてない。そこにあるのは無機質な数字の羅列だけ。

でも、一方でブログがあったおかげで救われた部分も多くありました。仕事ができない人間なんだって落ち込んで自暴自棄になって現実逃避した時もあったけど、ブログのおかげで必要としてくれる人がいる事を知って、もう一度社会と関わりたいって前向きに思えるようになったしなぁ…。

拓斗を見ていて「拓斗が一番痛いやつやん」と思ったけど、承認欲求も使い方次第では、事態を好転させるものになるんじゃないかなあ。承認欲求をこじらせてしまうと、自分は傍観するだけで、他の人を批判するだけの人間になっちゃうのかなぁなんて。

拓斗は救いがあったからまだよかったけど、救いがない人のほうが大多数だもんね。(私も有村架純ちゃんに肯定されたいわ)


あと、印象的だったのは内定決定後の光太郎の

「俺さ、ただ単に面接が得意だったってだけなんだよね」
「内定ってまるごと自分が肯定された感じ」

ってセリフ。

ひとつめの会社辞めてから、いくつか転職活動したんだけどひとつも受からなくて「自分って社会から必要とされてない人間なんだなぁ…」ってズタボロにメンタルやられてた頃をフラッシュバック。これは、トラウマムービーかな?笑

あと、これ恋愛にも当てはまるよなーと。誰かから好意を抱かれたり、プロポーズされた時のいいとこも悪いところも、まるっと含めて肯定された感覚。他者から全肯定された時の万能感。ちょっとした失敗しても「自分には味方がいる」って思うとめちゃくちゃ踏ん張れるっていうかさ。

そういう肯定を求めてみんな現実世界で頑張ったり、時にはネット世界に逃げたりするんだろうなぁ。有村架純ちゃんに全肯定されたい(二回目)


あと、主演メンバーの演技がとても自然というか、本人たちの性格が反映されたかのような配役で、すっと物語が入ってきて楽しめたのもよかった。菅田将暉くんのひょうひょうとした感じとか有村架純ちゃんの純粋っぷりとか。

演技派な俳優さん揃ってるだけあって、演技もよかったなぁ。
二階堂ふみ演じる理香の心がポキっと折れて、号泣しながら胸の内を吐露するシーンの演技が最高にヒャッハーでしたね。笑

拓斗の裏の顔が舞台上で演劇のように暴かれていく演出も面白かったし。こっそり見ているはずが…全て見られていた…!?!?という怒涛の展開。

拓斗が「見てこれ〜(笑)」と隆良のTwitterアカウントをみんなに見せて、一瞬時が止まるシーンとか、理香が妬み全開のキーワードで検索しているのを見てしまったあの瞬間とか、場が凍るシーン盛りだくさんで下手なホラー映画よりも怖いというか心臓に悪かった。笑

まとめ

ということで、映画『何者』ネタバレ・感想でした。

承認欲求モンスターなブロガーやツイッタラーにぜひ見て欲しい作品でしたね。人間誰もが抱えている闇の部分を見せつけられる作品だったので、私個人的には二度と見たくないですが…。心臓に悪いw

あー、友達の裏垢…何書いてるんだろうなぁ…(怖)

▼『何者』原作本。

▼全6編を収めた短編集『何様』何者のアナザーストーリー。